「無理ゲー社会」の時代に、エンジニアが生き残るための戦略について考えてみた
こんにちは。
橘玲さんの「無理ゲー社会」という本を読みました。
https://www.amazon.co.jp/%E7%84%A1%E7%90%86%E3%82%B2%E3%83%BC%E7%A4%BE%E4%BC%9A-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%9F-26-2-%E6%A9%98/dp/409825400X/ref=tmm_pap_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1632467258&sr=8-1www.amazon.co.jp
今回はこの本を読んだエンジニアが、生き残るための戦略について考察してみようと思います。
無理ゲー社会はエンジニア有利な社会になるのか?
著書の中で無理ゲー社会を表す表現として、以下のようなものがあります。
富は再分配できるが、能力は再分配できない
著者は、これからの社会は資本主義から実力主義へと変化していくと書いています。
資本主義社会において富の格差は広がっており、これを埋めるために政治家は増税等の手段により高所得者から低所得者へ資産の分配を進めているわけです。
しかし富は分配できますが、残念ながら能力は分配できません。
日本の終身雇用制度が崩壊していることはご存知かと思います。
メンバーシップ型からジョブ型への移行中の日本ですが、まさに成果主義・能力主義の社会になろうとしているのです。
情報技術や科学技術などの進化の速度は、富と同じく指数関数的に成長しています。
つまりは能力においても富と同様に格差社会になることを著者は警告しているのです。
開いた格差はどうすることもできません。その結果能力の低い者はどうなるか。
働けなくなります。働きたくても。
いわゆるベーシックインカム等の方法で富は再分配される社会になるので、死ぬことはありません。
しかし、能力差はいつまでたっても埋まる日はこないでしょう。結果、一生働けません。
これが副題ともなっている「才能ある者にとってはユートピア、それ以外のものにとってはディストピア」なのです。
ではこんな社会はエンジニアにとってはどうでしょう?
やはり能力の高いエンジニアと低いエンジニアで格差社会になると私は見ています。
ではどうすれば良いのか、少し戦略を考えてみましょう。
無理ゲー社会をエンジニアはどう生き延びれば良いのか?
これはあくまで私が考える一例なので、参考程度に眺めていただければと思います。
エンジニアが生き残るための戦略として、
1.自分の専門領域(主戦場)をきちんと決めておき、その分野で実績を重ねる
2.社会的な関心を持つ(何が今世の中で求められているのかにアンテナを張る)
3.自分が好きなもの、得意なものに多くのリソース(金と時間とエネルギー)をかける
こんなところでしょうか。解説します。
1.自分の専門領域(主戦場)をきちんと決めておき、その分野で実績を重ねる
これは「あなたは何の専門家であるのか」「あなたはどんな価値を創造できる人なのか」を明確に示すための戦略です。
明確に示す場合に一番わかりやすいのが、技術者としての実績を高めましょうということです。
実績の具体例としては、職務経歴や表彰結果、ブログや制作物等のポートフォリオが有効です。
実績の勘違いしやすい例として「資格」を取ろうとする方がいますが、これは注意が必要です。
なぜなら資格を持っているということは資格に関する知識が高いというだけの話で、開発や制作能力が高いかどうかは別次元の話だからです。
知識があることと経験があることの違いと思えば良いかと思います。
実績もあって、それに関する資格もあるってのがベストですね。
2.社会的な関心を持つ(何が今世の中で求められているのかにアンテナを張る)
「VUCA」の時代と言われていますが、いわゆる変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高い世の中にますますなっていくと思います。
そうしたときに、エンジニアが担当する技術も基本的に変化することは想像できるかと思います。
その変化を常に把握しようとする姿勢を高めましょうということです。
その時担当する業種だけでなく他業種を知ろうとする必要も出てくることでしょうし、社会的な情報を知る必要も出てくるかもしれません。
常に高いアンテナを張って、日々情報収集に努めましょう。
今はインターネットやSNSで誰もが情報発信者として発信してくれています。
玉石混交なため、情報を正しく読み取る能力も早いうちに鍛えておくとよいでしょう。
3.自分が好きなもの、得意なものに多くのリソース(金と時間とエネルギー)をかける
ここが一番重要な戦略だと思ってますが、もはや嫌いなものや苦手なものに構っている時間はない時代なのです。
リソース(金、時間、エネルギー)を最も多く比重をかけるべきは、「好き」と「得意」だけなのです。
YouTuberが台頭している時代をみれば、おおよそ納得するところかと思います。
組織よりも個人がますます強くなる時代は進んでいくでしょう。
よって個人は、より強みや価値を出すために自分を磨く必要があります。
それは「好き」か「得意」かの領域でしか磨けないと思います。
自分が何が好きで得意なのかを早めに見つける必要があります。
以上、ざっくり「無理ゲー社会」を読んで、エンジニアが生き残るための戦略について一例をあげてみました。
エンジニアもますます厳しい時代になるとは思いますが、私個人としては悪いことばかりではないと思います。
むしろ幸福なエンジニアが増える時代になるのではないかと思っています。
なぜかというとエンジニアってそういう生き物でもあるからなんですね。変化や新しいテクノロジーが大好きなんです。
だから案外深刻に考えなくても、より自分の好きなものに取り組んでいく人が一番なんとかなるんじゃないかと思うんですよね。
今回はここまで!